ベクシル他2
今日まで立て続けに3本の映画を観た。
「トランスフォーマー」「レミーのおいしいレストラン」「ベクシル」・・・いずれもCG(コンピュータグラフィックス)抜きでは、成立しない作品である。
3本観たところで、重要な共通点に気づいたので、それと併せて感想を述べてみたい。
○トランスフォーマー
戦っている動機も良く判らず、子供の頃から巨大ロボ戦隊ものを見慣れた正しい日本の少年上がりには、ドーってこと無い話である。
ともかく敵がどんなに強くても「怖くない」のである。
怖くない敵が相手では・・・予定調和でヒーロー側が勝つに決まっているお話しは気持ちが乗っていかない・・・なぜだ?・・・と考えると・・・そのヒントは導入部にあった
「砂漠」で「われらが米軍」がコテンパンに、やられるのである。
正しい日本の少年上がりには、いくら「米軍」がやられても・・・怖くは無いのである。
これが「正しい米国民」であったとしたら、最強のはずの我が軍隊が簡単に敗北するような敵は・・・強く!怖いのであろう・・・・・
砂漠での敗北・・・砂漠に軍隊を送って戦争をしていることへの、深層心理的な罪悪感・・・これ無しには、この映画の敵の怖さは判らないのではないだろうか?
CGのレベルは現在の最高級なのだが・・・続編?・・・期待しない方が良さそうである!
○ベクシル
いつかは誰かがやるんだろうナーと思っていた、全編ライブアクションベースの完全CGアニメ・・・ライブベースでないシーンの動きは、TVアニメ以下・・・
しかし、この手の作品は今後続々作られていくんだろうナー!人体のディテールとか服のテキスタイル感なんかが、もう少しレベルアップすればセットもいらないし、巨額なギャラもいらないし、どうせCG合成は今の映画には不可欠だし・・・制作費がかなり圧縮できるはず!
映画のパンフに主役級の声優が「今の日本では、嬉しい内容でも悲しい内容でもメールを無表情で打っている・・・」と、いっていたが・・・この映画の敵役が犯す罪はすでに我々も足を踏み入れているのかもしれない。
・・・2077年の東京の住民は思い出の再体験をしている・・・某3丁目の夕日なんて言う映画のように・・・テクニックに走る者の末路・・・崩壊を防止できなかったことへの贖罪・・・まさにこの映画が採用したオールCGこそが、そんな状況を象徴しているのではないだろうか・・・この映画に、日本人の未来は無い!・・・
○レミーのおいしいレストラン
CGアニメのディテールもここまできたか!というレベルの作品である。
お話しは・・・ディズニーでピクサーなので、ビックリ!といった仕掛けはないが、誤解と行き違いといった普遍のモチーフから、我々が繰り返し犯してしまう罪を再認識させてくれる。
ネズミと人間の対等な関係・・・ミッキーから始まる会社の作品であるから、今更驚かないが・・・いつまであのようなステレオタイプの敵役を使うのだろうか?
トイ・ストーリーの破壊欲120%の悪ガキや、インクレティブルの目立ちたがり坊やのような敵役が・・・うらやましくなるような作品である。
ディズニーが絡むからなのか・・・普遍性の結果なのか・・・?
この3作品に共通するキーワードjは「罪」・・・ある意味・・・映画の基本である。
現在まで作られた作品は、このキーワード抜きには成立しない・・・恋愛ものにおいても例外なく良い作品には組み入れられている。
さて、以上の3作品・・・DVDが出たら・・・ネズミのお話しかナー・・・買うのは!
なぜって?・・・女料理人が、とってもいいんだナー・・・惚れたね!ハハハ!!
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